配当株への投資は、多くの投資家にとって安定した収益源となる魅力的な手法です。その中でも「ダウの犬(Dogs of the Dow)」戦略は長年にわたり注目を集めてきました。しかし、この戦略が全ての投資家にとって最適とは限りません。本記事では、「ダウの犬」戦略を超える新たな配当株投資方法を提案し、その魅力を解説します。
ダウの犬戦略とは?
「ダウの犬」戦略は、ダウ平均株価(ダウ・ジョーンズ工業株30種平均)を構成する銘柄の中から配当利回りが最も高い10銘柄を選んで投資するシンプルな手法です。特に配当利回りが高い銘柄は株価が下落している場合が多く、この戦略は「一時的に市場で評価が低い株を買って、回復を狙う」という考え方に基づいています。
戦略の問題点
しかし、この戦略には明確なリスクがあります。例えば、配当利回りが高い理由が業績悪化や配当金削減の可能性を市場が織り込んでいる場合、期待したリターンを得られないことがあります。
- 事例:ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA) 2024年、ダウ平均構成銘柄の一つだったWBAは業績不振のため指数から除外され、株価は-64.6%の大幅な下落を記録しました。
さらに、過去20年間のデータによると、「ダウの犬」戦略は市場平均を大きく下回るリターンしか得られていません。
「ダウの犬」を超える配当株投資戦略
「ダウの犬」に代わるアプローチを考える際、重要なのは単純な配当利回りではなく、その背景やトレンドを理解することです。以下に、より効果的とされる2つのアプローチを紹介します。
1. 相対的配当利回りに注目する
相対的配当利回りとは、銘柄の現在の配当利回りを過去の配当利回りの範囲と比較する手法です。この方法では、現在の配当利回りが過去の水準と比較して高い場合、割安と判断します。
- 成功事例:投資品質トレンド(IQT) IQTが提案するモデルポートフォリオは、過去18年間で年率11.0%という優れたリターンを記録。これは「ダウの犬」戦略を大きく上回り、市場平均も超えています。
2. 投資アドバイザーの推薦に注目する
アナリストや投資アドバイザーが推薦する配当株は、単に配当利回りが高いだけでなく、企業の成長性や業績の安定性が考慮されています。このアプローチにより、配当利回りが高いが業績に問題がある「配当トラップ」を避けることができます。
- 注目銘柄:ダウ平均の中で推奨される配当株 投資ニュースレターで複数回推薦された銘柄を選ぶと、市場平均よりも高い配当利回りを得られる可能性があります。
2024年に注目すべき配当株ポートフォリオ
以下は、2024年のダウ平均構成銘柄の中から、投資アドバイザーが推薦する銘柄の例です。このポートフォリオは「ダウの犬」戦略を補完しつつ、配当と成長性のバランスを重視しています。
銘柄名 | 配当利回り | 推薦アドバイザー数 |
---|---|---|
ジョンソン・エンド・ジョンソン | 3.5% | 5 |
シェブロン | 4.0% | 4 |
3M | 5.2% | 3 |
コカ・コーラ | 3.2% | 3 |
これらの銘柄は、高い配当利回りを維持しつつ、業績の安定性も評価されているため、2025年に向けての注目株となる可能性があります。
投資家へのアドバイス:戦略を柔軟に適用する
投資戦略に「絶対の正解」はありませんが、配当株投資において以下のポイントを意識することでリスクを抑え、リターンを最大化することができます。
- 配当利回りの理由を確認する
高い利回りは必ずしもプラス要因ではない場合があります。背景を分析しましょう。 - 相対的利回りを重視する
銘柄の配当利回りを過去と比較することで、割安かどうか判断できます。 - 多角的な情報を活用する
投資アドバイザーの推薦や複数のデータソースを参考にしましょう。 - 分散投資を心掛ける
配当株に集中し過ぎず、バランスの取れたポートフォリオを構築することが重要です。