チャーリー・マンガーに学ぶ「幸せに生きるための6つのシンプルなルール」
投資家としての偉業だけでなく、深い人生哲学でも多くの人に影響を与えてきたチャーリー・マンガー氏。彼はウォーレン・バフェット氏の長年のパートナーであり、バークシャー・ハサウェイを共に率いてきた賢人です。
そんなマンガー氏が「幸せな人生を送るためのシンプルな6つのルール」を語ったことがあります。一見すると当たり前で古くさいように思えるかもしれませんが、マンガー氏自身が「陳腐だが真実」と語ったように、実践する価値のある内容ばかりです。
1. 他人をうらやまないこと
マンガー氏の人生哲学の第一条は「嫉妬しないこと」です。
「嫉妬は唯一、まったく楽しめない悪徳だ」と彼は語ります。たしかに、怒りや強欲といった感情は一時的に快感を伴うこともありますが、嫉妬は苦しみしか生みません。他人との比較に囚われず、自分自身の価値を認めることこそが、心の平穏に通じる第一歩だと言えるでしょう。
これは『お金の心理学』の著者モーガン・ハウセル氏の言葉とも通じます。「社会的比較には終わりがなく、満足は自分の内面からしか生まれない」のです。
2. 他人を恨まないこと
2つ目のルールは「人を恨まないこと」です。
「恨みを抱いても幸せにはなれない。だからおすすめしない」と、マンガー氏は断言しています。恨みや怒りといったネガティブな感情は、抱えている本人を蝕む毒のようなものです。人間関係や健康にも悪影響を与えかねません。
幸せになりたければ、感情の矛先を外に向けるのではなく、自分の内面と向き合うことが大切です。
3. いつも陽気でいること
どんな困難な状況にあっても、明るさを失わないこと。それが3つ目のルールです。
「陽気でいることは知恵ある行動だ」とマンガー氏は語ります。陽気さは周囲に良い影響を与えるだけでなく、自分自身の精神的な免疫にもなります。人はポジティブな態度でいると、困難にも立ち向かいやすくなるものです。
4. 信頼できる人とだけ付き合うこと
4つ目のルールは「信頼できる人とだけ関係を築くこと」です。
マンガー氏は「信頼がなければ、どんな美徳も崩れ去る」と言っています。これはビジネスの世界でも、個人の人間関係でも同じです。
実際に、ウォーレン・バフェット氏も「お金を失っても許すが、評判を失ったら容赦しない」と語ったことがあります。信頼関係を大切にすることは、人生において最も重要な土台と言えるでしょう。
5. 自分が得意なことに集中すること
「やるべきことをやれ」とは、つまり「自分が得意なことに集中せよ」という意味です。
マンガー氏は「自分の強みを知り、それを最大限に活かすことが成功への道」だと説きます。苦手分野で戦おうとすれば、疲弊するばかりか、結果として平凡な成果しか得られません。自分の才能に正直であることが、長期的な成果と満足感につながります。
6. 収入以上に使わないこと
最後のルールは、非常に現実的です。「収入より多く使わないこと」。
シンプルなようで、これができていない人は意外と多いのではないでしょうか。投資の世界ではレバレッジ(借金による投資)が典型例ですが、これも本質的には「自分の余力を超えて使うこと」です。
マンガー氏は、「レバレッジには100%安全な投資が存在しないから危険だ」と語り、常に自分のキャパシティを超えない資金管理を勧めています。これは投資だけでなく、普段の生活にもそのまま応用できる考え方です。
陳腐だけど真実、それが人生の本質
チャーリー・マンガー氏は、自らの人生哲学を「陳腐だが真実」と表現しました。それは一見シンプルで当たり前のように聞こえるからこそ、見過ごされがちですが、実際には多くの人が実践できていないからこそ、価値があるのです。
私たちもこの6つのルールを、日々の生活や投資判断に取り入れてみることで、より豊かで穏やかな人生に一歩近づけるかもしれません。