2024年ナスダック100ワースト銘柄5選:半導体・バイオテック業界の試練
2024年、ナスダック100指数は25%の上昇を記録しましたが、その陰で一部の銘柄は大幅な下落に見舞われました。この記事では、2024年に最も悪いパフォーマンスを記録した5銘柄――インテル(Intel)、モンゴDB(MongoDB)、バイオジェン(Biogen)、デクスコム(Dexcom)、マイクロチップテクノロジー(Microchip Technology)――について詳しく解説します。
1. インテル(Intel):技術の後退とAI市場での苦戦
- 下落率:60%
- 課題:市場シェアの低下、技術革新の遅れ、競争の激化
かつて半導体業界をリードしていたインテルは、現在では苦境に立たされています。特に、AI市場ではエヌビディアのような競合他社に大きく遅れを取っています。
2024年6月期、インテルの1株当たり利益(EPS)は予想を80%下回るわずか2セント。9月期には業績がやや改善したものの、売上は前年同期比で6%減少し、純損失は170億ドルに達しました。
市場の反応:
- スティフェルはインテルの目標株価を26ドルから22ドルに引き下げ、慎重な見方を強調。
- コスト削減策として、16,500人の人員削減や不動産縮小を実施中。
2. モンゴDB(MongoDB):成長への懸念
- 下落率:43%
- 課題:AI需要への適応、競争の激化
モンゴDBは、オープンソースのデータベース管理で企業をサポートしていますが、AI市場の成長を活かせるかについて懸念が広がっています。
投資家の反応:
- バークレイズは目標株価を375ドルから400ドルに引き上げながらも、同社の成長戦略に「慎重な姿勢」を示しました。
- モネス・クレスティは目標株価を220ドルに設定し、「業界内での競争力不足」を指摘。
3. バイオジェン(Biogen):アルツハイマー治療薬の苦戦
- 下落率:41%
- 課題:製品売上の低迷、新規治療薬の不振
バイオジェンは、主要なアルツハイマー治療薬「レケンビ」の売上不振や多発性硬化症治療薬の収益減少に直面しています。
アナリストの見解:
- BMOキャピタルは目標株価を230ドルから164ドルに引き下げ、「短期的な収益回復の兆しが乏しい」とコメント。
4. デクスコム(Dexcom):体重減少薬の影響
- 下落率:37%
- 課題:市場需要の低下、新規患者数の減少
インスリン監視装置メーカーのデクスコムは、体重減少薬の普及による影響を受けました。CEOは「新規患者の大幅な減少」を報告しており、業績見通しも下方修正しました。
投資家の反応:
- カナコードは目標株価を89ドルから99ドルに引き上げ、「2025年には市場が再び活発化する可能性」を示唆。
5. マイクロチップテクノロジー(Microchip Technology):需要減退と競争
- 下落率:36%
- 課題:売上の急減、在庫調整
マイクロコントローラーとアナログデバイスを専門とするマイクロチップテクノロジーは、半導体業界全体の需要減退と在庫調整の影響を受けました。
CEOのコメント:
- 「市場全体の弱含みに伴い、在庫調整の影響が続いています。」
まとめ:ナスダック100の中での浮き沈み
2024年のナスダック100は全体的に好調でしたが、一部の銘柄は苦境に立たされました。特に、半導体業界やバイオテックセクターでは、競争の激化や市場需要の変化が大きな課題となっています。これらの銘柄の動向を注視することは、今後の市場トレンドを理解する上で重要です。