デイリーレポート

2026年6月26日 米国株市況レポート

2026/6/25
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本日のポイント

  • 米国株はS&P500がほぼ横ばい、NASDAQが下落、Dowが小幅高となり、指数全体ではAI・大型テック一極集中から景気敏感・金融・ヘルスケアへ資金が分散する動きが目立ちました。
  • Micronの好決算でAIメモリー需要の強さは再確認された一方、AppleとMicrosoftの価格引き上げが部材コスト上昇への警戒を呼び、AI投資ブームが利益率を圧迫する可能性も意識されました。
  • May PCEとFed高官発言を受け、10年債利回りは4.39%前後で低下気味ながらインフレ再加速への警戒は残り、今後は金利低下がグロース株を支えるのか、物価懸念がバリュエーションを抑えるのかが焦点です。

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1. 市場概況

6月25日の米国株は、主要3指数がまちまちでした。S&P500は7,357.49付近でほぼ横ばい、NASDAQ総合は25,358.60と0.46%下落し、Dowは51,920.62と0.14%上昇しました。表面上は小動きですが、中身は大型テックの下落と、それ以外のセクターへの循環物色が同時に進んだ一日です。

相場の主役は引き続きAIですが、今回は「AI需要そのもの」よりも「AI需要がサプライチェーンと利益率に与える副作用」が意識されました。Micronの決算はデータセンター向けメモリー需要の強さを示した一方、メモリー価格の上昇がAppleやMicrosoftの製品価格引き上げにつながり、テック企業のコスト構造への懸念を強めました。

小型株はRussell 2000が約0.7%上昇し、金利低下を受けた裾野の広い買いも見られました。VIXはCNN集計で16台まで低下しており、指数の方向感は乏しいものの、パニック的なリスクオフではなく、銘柄選別とセクター回転の色合いが強い相場です。

2. セクター・テーマ別の動き

半導体・AIインフラ関連では、Micronが好決算を受けて大幅高となり、AIデータセンター向けメモリー需要の強さを市場に印象づけました。Qualcommも非スマートフォン領域の成長見通しを材料に買われ、AI投資の裾野がGPUだけでなくメモリー、通信、製造装置へ広がっている点が確認されました。

一方で、AppleとMicrosoftの下落は重要です。Appleは一部Mac製品の価格引き上げ、MicrosoftはXbox関連の値上げが報じられ、投資家は「AI関連部材価格の上昇を最終製品へ転嫁できるのか」を見極めようとしています。売上成長が続いても、コスト増が利益率を削るなら、これまでの高いバリュエーションは再評価を迫られます。

金融、ヘルスケア、資本財などは相対的に底堅く、Dowを支えました。これは、金利低下とテック集中の巻き戻しが同時に起きる局面で、投資家が利益確定資金の受け皿を探していることを示しています。

3. 注目ニュース

最も大きな材料はMicronの決算です。AIサーバー向けメモリー需要が収益を押し上げ、同社株は大幅高となりました。市場にとっては、AI投資サイクルがまだ失速していないことを示す強いシグナルです。

同時に、AppleとMicrosoftの値上げ報道は、AIブームの別の側面を映しました。メモリーやストレージの需給逼迫は半導体メーカーには追い風ですが、それらを大量に使うハードウェア企業にはコスト増要因です。今後の決算では、売上成長だけでなく粗利益率や価格転嫁力がより厳しく見られそうです。

マクロ面では、May PCEが高めの水準にとどまり、Chicago FedのAustan Goolsbee総裁もコアインフレがなお高く、望ましくない方向にあるとの認識を示しました。利下げ期待が一方的に強まる環境ではなく、金利低下が株価を支える場面でも、インフレ指標への反応は大きくなりやすい局面です。

4. 注目銘柄・ETF

  • Micron Technology(MU): AIデータセンター向けメモリー需要を背景に急伸。AIテーマの中でも、メモリー価格上昇の恩恵を受ける側として注目度が高まりました。
  • Apple(AAPL): 製品価格引き上げが嫌気され大幅安。プレミアム製品でもコスト増をどこまで転嫁できるかが、今後の利益率を見るうえで重要です。
  • Microsoft(MSFT): Xbox価格引き上げを受けて下落。クラウドとAIでは強みがある一方、コンシューマー向けハードではコスト上昇の影響が意識されました。
  • Nvidia(NVDA) / 半導体ETF(SMH、SOXX): AI需要の強さは支援材料ですが、個別には高値圏での利益確定も出やすい地合いです。Micron型の実需確認がどこまで波及するかが焦点です。
  • SPY / QQQ: S&P500は底堅い一方、QQQは大型テックの影響を受けやすく、短期的には指数間の温度差が続く可能性があります。

5. 金利・為替・原油・VIX

米10年債利回りは4.39%前後まで低下し、5月中旬以来の低めの水準が意識されました。通常であればグロース株には追い風ですが、今回は大型テックのコスト懸念が重なり、金利低下だけではNASDAQを押し上げきれませんでした。

原油は中東情勢への過度な警戒が一服し、WTIが戦争前水準に近づいたとの見方が出ています。エネルギー価格の落ち着きはインフレ期待にはプラスですが、PCEの高止まりを完全に打ち消すほどではありません。

為替では、米金利の低下がドルの上値を抑える要因になります。日本の投資家にとっては、米株リターンだけでなくドル円の変動が円建て成績に与える影響も大きく、金利低下局面では為替ヘッジや円換算後の損益確認が重要です。

VIXは16台まで低下し、ヘッドラインほど市場のストレスは高くありません。とはいえ、AI関連の高バリュエーション銘柄では決算やガイダンスへの反応が大きくなりやすく、低VIXを過信しない姿勢が必要です。

6. 今後の注目イベント

今後は、PCE後のFed高官発言と次回FOMCに向けた市場の織り込みが焦点になります。インフレが高止まりする中で金利が低下する場合、株式市場は一時的に支えられても、Fedがタカ派姿勢を強めると再びバリュエーション調整が起こり得ます。

企業面では、AI関連企業の決算で「需要の強さ」と「コスト上昇」のどちらが勝つかを確認したいところです。Micronのように価格上昇が収益に直結する企業と、AppleやMicrosoftのように部材を購入する企業では、同じAIブームでも株価への影響が異なります。

セクター面では、テックから金融・ヘルスケア・資本財・小型株へ資金が広がるかが重要です。指数が高値圏を維持するには、Magnificent Sevenだけでなく、より幅広い銘柄群が収益期待を支える必要があります。

7. 主要ソース

  • NYSE, “Holidays & Trading Hours”
  • NasdaqTrader, “U.S. Equity and Options Markets Holiday Schedule 2026”
  • CNBC, “Nasdaq falls for a fourth day as a drop in Apple overshadows Micron’s booming earnings”
  • TheStreet, “Stock Market Today (June 25, 2026): Mag7 falls after Apple, Microsoft announce price increases”
  • CNN Markets, “Stock Market Data - US Markets, World Markets, and Stock Quotes”
  • BEA, “Personal Consumption Expenditures Price Index, Excluding Food and Energy”

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