デイリーレポート

2026年6月29日 米国株市況レポート

2026/6/28
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本日のポイント

  • AI・半導体株への利益確定が続き、S&P 500とNasdaqは週間で下落しました。相場全体の崩れというより、これまで指数を押し上げた大型グロース株のポジション調整が焦点です。
  • PCEインフレの再加速でFedの利上げ観測が残る一方、原油安と米国債利回り低下は過度なリスクオフを抑えました。金利・原油・ドル円の組み合わせが、グロース株の下値確認に直結しやすい局面です。
  • 今週は雇用統計、ISM、消費者信頼感、Nike決算が注目材料です。インフレ懸念の中で労働市場が強すぎるか、それとも景気減速を示すかが次の市場テーマになります。

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1. 市場概況

26日の米国株は小幅安で引けました。Reutersによれば、Dowは0.09%安、S&P 500は0.05%安、Nasdaqは0.24%安。下げ幅だけを見ると落ち着いた一日でしたが、週を通じてはS&P 500が2.0%安、Nasdaqが4.6%安と、AI・半導体主導の調整がはっきり出ました。一方、Dowは週間で0.6%高と底堅く、物色は大型テック集中からディフェンシブや景気感応の一部へ分散しています。

今回の調整は、景気後退懸念だけで売られたというより、年初来で上昇してきたAI関連銘柄のバリュエーションと収益化期待を市場が再点検し始めた動きと見ます。特に半導体指数の下落が大きく、指数投資家にとってはNasdaqやSOXX、SMHの短期ボラティリティが上がりやすい環境です。

2. セクター・テーマ別の動き

最も弱かったのは半導体・AI関連です。Reutersはフィラデルフィア半導体指数が26日に5.3%下落し、週間では7.7%安と2025年3月以来の大きな週間下落になったと伝えています。Investopediaも、メモリー関連のWestern Digital、Seagate、Sandisk、Micronが大きく売られ、Broadcom、Intel、AMDにも売りが波及したと報じました。

背景には、AIインフラ投資の規模がさらに大きくなる一方で、最終需要や収益化の見え方がまだ十分ではないという投資家の警戒があります。Yahoo Financeは、今週の焦点として「AI供給」、つまり半導体販売やデータセンター投資から、「AI需要」、つまり実際の利用と収益への確認に市場の目線が移っていると整理しています。

一方で、ヘルスケア、リアルエステート、公益、生活必需品などは相対的に底堅く、金利低下局面でディフェンシブ性が評価されました。短期的には、AI関連の押し目買いが入るかだけでなく、ディフェンシブへの資金退避が続くかも相場の温度感を測る手掛かりです。

3. 注目ニュース

マクロ面では、5月PCEが最大の材料です。Reutersによれば、5月のPCE価格指数は前年比4.1%、コアPCEは前年比3.4%に上昇し、Fedの2%目標からなお距離があります。消費支出も前月比0.7%増と強く、インフレが粘着的なまま需要が底堅いという、Fedにとって難しい組み合わせです。

このため、市場では9月FOMCでの利上げ観測が意識されています。ただし、原油価格が下落しているため、今後のヘッドラインインフレには一定の緩和圧力がかかる可能性があります。問題はサービス価格やAI関連の設備・部材コストがどこまで残るかです。

地政学面では、ホルムズ海峡周辺の供給懸念が後退し、原油が大きく下げました。エネルギー価格の低下は消費者心理にはプラスですが、景気が強いままならFedのタカ派姿勢を完全には和らげない点に注意が必要です。

4. 注目銘柄・ETF

半導体では、SOXXやSMHに加え、Micron、Broadcom、AMD、Nvidia周辺の値動きが引き続き市場心理を左右します。特にMicronはAI向けメモリー需要への期待が強い一方、短期的には「好材料出尽くし」や高バリュエーションへの警戒が出やすくなっています。

大型指数では、QQQがAI・半導体の調整をどこまで吸収できるかが重要です。S&P 500連動のSPYは下げが比較的小さいものの、指数上位銘柄の集中度が高いため、AI関連の調整が長引けば影響は避けにくいでしょう。

今週の決算ではNikeが注目です。Yahoo Finance/Kiplingerによれば、Nikeは30日引け後に決算を予定しており、売上・利益の回復ペースとFY27への見通しが焦点です。消費関連株の温度感を測る材料として、個別株だけでなく小売・一般消費財セクターにも波及し得ます。

5. 金利・為替・原油・VIX

Reutersは、米国債利回りが低下し、金が上昇したと伝えています。インフレ指標は強いものの、株式市場の調整と原油安が債券買いを誘った形です。グロース株にとっては金利低下が支えになりますが、Fed利上げ観測が残るため、単純な追い風とは言い切れません。

原油はBrentが4.34%安の1バレル72ドルで清算されました。供給不安の後退はインフレ期待を冷ます一方、エネルギー株には逆風です。為替では円が対ドルで161.76円近辺と約40年ぶりの安値圏にあり、日本の米国株投資家にとっては円ベース評価額を押し上げる一方、為替介入警戒やヘッジコストを意識しやすい水準です。

VIXはYahoo Financeの市場データで18.41と、株式調整の割には極端なパニック水準ではありません。これは、現時点の売りが全面的なリスク逃避というより、AI・半導体中心のポジション調整として受け止められていることを示唆します。

6. 今後の注目イベント

今週は雇用統計が最重要です。Yahoo Financeは、6月非農業部門雇用者数が13.5万人増、失業率が4.3%と予想されていると報じています。雇用が強ければインフレ再燃とFed利上げ観測が強まりやすく、弱ければ景気減速懸念が出やすいため、どちらに振れても金利とグロース株には反応が出やすいでしょう。

そのほか、JOLTS、ADP雇用、ISM製造業、消費者信頼感も確認したい材料です。AI関連では、半導体株の反発力だけでなく、AI投資の需要側を示す企業コメントやクラウド支出の見通しが重要になります。

決算ではNike、Constellation Brands、FactSet、General Millsなどが予定されています。大型テック決算の谷間ではありますが、消費・企業需要・価格転嫁力を確認する週として意味があります。

7. 主要ソース

金融免責事項

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