新型コロナウイルスの影響とテック株の回復
過去18ヶ月間に起こった驚くべき展開の一つは、一部のテック株が見せた素晴らしい成果です。アップルのような優良ハイテク株は、新型コロナウイルスの大流行による急落から見事に回復し、コロナ禍以前の水準を超えて成長しました。この回復は、新型コロナウイルスが全世界に広がり始めた直後に現れた金利の低下が市場に反映されたものでもあります。
ウォーレン・バフェットの見解
今年のバークシャー・ハサウェイの株主総会で、ウォーレン・バフェットはこの状況を次のように説明しました。
「キャッシュを創出するすべての資産のバリュエーションに大きな変化がありました。なぜならノーリスク資産である国債が利子を支払わなかったからです。」
新型コロナウイルスの大流行前に米国債に1000億ドルを投資していた場合、約15億ドルの利子を受け取ることができましたが、金利が0.02%では利子所得は2000万ドルまで落ちてしまいます。これは、給料が時給15ドルから20セントになるようなものです。
バフェットはさらに、低金利の環境ではアップルのような企業が安価に見えると述べ、グーグルやマイクロソフトのような企業も、資本で稼げる収益面で非常に優れていると強調しました。
「彼らは資本をあまり必要とせず、現金を大量に生み出しています。最近の株価の成果はいまいちかもしれませんが、金利が1%未満の国債と比べれば非常に魅力的な株です。」
金利とテック株の関係
ここ数ヶ月間、金利が上昇したものの、バフェットの主張は依然として有効です。ノーリスク金融商品の収益率に比べて、投資資本収益率が高いテック企業の方が良い投資対象に見えるのです。なぜなら、これらの企業はより良いキャッシュフローとリターンを創出しているからです。
数字で見るテック株の価値
例えば、昨年アップルは730億ドルの余剰キャッシュフローを生み出しました。今後60年間、アップルが年間2%ずつ成長し、割引率2.5%を適用すると、アップルの割引市場価値は3.8兆ドルになります。これはコロナ禍前の金利を前提とした計算です。
現在の10年債利回り1.62%を適用すると、割引市場価値は4.2兆ドルになります。2020年7月の0.6%の金利を適用すると、6.1兆ドルとなり、現在の時価総額の3倍に迫ります。
まとめ
過去1年間は金利の変化が企業のバリュエーションにどれだけ大きな影響を与えるかを示しました。もちろん、金利が現在の水準に維持されるかどうかは大きな問題です。これは数兆ドルの価値に関わる問題であり、投資家にとっては重要な関心事です。
これからも金利動向を注視しつつ、テック株の動きを見守ることが賢明です。ウォーレン・バフェットの洞察を参考に、適切な投資戦略を立てていきましょう。