1. ウォルター・シュロス氏とは
ウォルター・シュロス氏は、投資界の重鎮で、彼の名言は多くの投資家に影響を与えてきました。彼の投資ポリシーは、時代の変化に適応しながらも、自分の信念を貫くことにありました。その柔軟な姿勢は、ウォーレン・バフェット氏とは異なる形の戦略変化を示しています。
2. シュロス氏の投資戦略
2.1. ネットネット株への投資
シュロス氏のキャリアは1940年代後半、ベンジャミン・グレアムの下でスタートしました。当時は「ネットネット株」に焦点を当てた投資を行っていましたが、時代とともにその機会は減少していきました。
2.2. 戦略の進化
1950年代には、自身の投資会社を設立し、帳簿価値を重視した投資戦略に移行しました。彼の方法は、帳簿価値の低い株を選ぶことでリスクを低減しつつ、高い収益を目指すものでした。
3. ポートフォリオの構築
シュロス氏は、100社以上の企業をポートフォリオに含めることで、リスク分散を図りました。彼のこの方法は、不確実性を管理し、長期的な成功を目指すものでした。
4. 株の売却戦略
株の売却は、買い時よりも難しいとシュロス氏は語っています。彼は市場の動向や企業の状況を慎重に観察し、最適な売却タイミングを見極めることに注力しました。
5. 投資での誤りと学び
シュロス氏は、投資における間違いから学ぶことの重要性を強調しています。自分の限界を知り、市場の変動に柔軟に対応することが、成功への鍵だと彼は説いています。
6. 終わりに
ウォルター・シュロス氏の投資哲学は、長期的な視点とリスク管理に重点を置いています。彼の教えは、今日の変動する市場環境においても、多くの投資家にとって貴重な指針となり得るでしょう。
ウォルター・シュロスの格言
私たちは変化する社会に住んでいるので、4、50年前のルールに捉えすぎる必要はありません。昔の基準で今の株を買うこともできません。昔は運営資本より安い株価で取引される企業の株を買えましたが、今はできません。そのような企業があれば他の企業に買収されます。
そもそも利益を変えられる場合(改ざん)以外に、純利益を望まない理由はありません。また、純利益の見通しは正しいかもしれないが、PERに対する人々の考えは変わりました。だから、帳簿価値を確認する方が楽です。
基本的に私たちは下落リスクから資産を守ろうとします。帳簿価額をパラメータとして使用することで、下落リスクから保護され、損失が発生したとしてもそれほど大きくないようにできます。
株価が下落する時期には、企業や業界の評判が悪くなり、誰も望まないようになります。その理由の一つは、多くの投資資金が必要とするからであり、もう一つの理由はお金を稼げないからです。利益がすべてである市場で利益をだせない企業を好む人はいません。
したがって、さまざまな理由で人々が嫌われ、株価が下がっている企業を買って待ってば、状況が有利に変わった時にかなりのレバレッジ効果を得られます。
株価が低迷している株を購入すると、3つの効果が得られます。
収益が改善されると株価上がり
誰かが来て、その企業の支配権を購入し
該当企業が自社株を購入し、自分で株価を上げる努力をします。
私が所有している企業はすべて落ち込んでいて、問題を抱えており、どの企業が勝者になるかの保証はありません。私たちの目標は長期的にキャピタルゲインを得ることであり、低迷した企業を買ってすぐに株価は上がりません。私を信じてください。株価はさらに下がります。状況が改善されるまでにはもっと待たなければなりません。大体4年ほどかかると思いますが、もっと時間がかかる場合もあります。
エドウィンと私の仕事1つは、ポートフォリオに100社以上の企業を所有することです。ウォーレン氏によると自分自身の愚かさに対する保険です。私がウォーレンに伝えたことも同じでした。私たちはこれらの企業の収益は予想できないし、彼らは現時点では2流企業ですが、その中で一部は成功するでしょう。今は
誰が成功するか分からないので、100社を買うのです。もちろん、各企業の株式を均等に配分して保有するわけではありません。良いと思う会社には多く投資し、成功する確信が少ない会社には少しだけ投資します。
重要なことは、株式にある程度資金を入れなければならないということです。株で保有しないとその会社について忘れてしまう傾向があります。また、我々は下り坂で株を買い、上り道で売ろうとします。
売るタイミングを判断することより、買うタイミングを判断する方がはるかに簡単だと思います。我々は過去の事例から収益が回復したときに株式が売り切れになったタイミングで売ろうとします。売却が締結される可能性があると判断したら、売る価格をより厳格に設定します。産業全体が急騰した時に売る場合もあるし、もっと良い企業が見つかったり、より安い企業を見つけた場合に売る時もあります。バリュー投資で、保有しているA社が上がり、安いB社を見つけたら、B社に乗り換えるのが正しいですが、我々は一般的に節税のために1年後に売却します。
時には、少し早いタイミングで売却します。しかし、何かを売る時には誰かが買いたくなるほど魅力的にしなければなりません。したがって、株価が本当に高評価されたタイミングまで待つことは、買いたい人が誰もいなくなるリスクを取らないといけないし、そしたら再び株価が下落することもあります。
このように申し上げます。我々は一定規模で売却しているため、ほとんどの株式が売却価よりも高く上がります。知っていると思いますが、絶対に高値で売却できないし、底値で買うこともできません。
売却は難しいです。本当に難しいです。何よりも難しいことで、ある株式を売却しようと思っていても、いろいろ起こる変化に影響を受けてしまいます。
人々は短期的な利益を狙って、多く取引をしていると思います。かといって、株式をいつまでも保有した方がいいということではありません。
自分が何を知っていて、何を知らないのかを理解していることが大事です。例えば、テンプルトンは私ができないことを見事にこなしています。彼は世界の株式を購入しています。私はアメリカの外で買ったことはほとんどありません。知らない世界の株式を買うと、毎回ではありませんが、頭を抱えてしまいます。
投資をして学ぶべきことの一つが謙虚です。なぜなら、自分の間違いに気づけるからです。多くの人が間違いを犯しているが、なぜ間違ったかは分かりません。
証券市場で本当に成功した人のほとんどが同じことを言います。株式市場に自由に出入りするほど賢くないということです。だから彼らはいつも市場に居続ける傾向があります。
もし、M&Aのチャンスがある企業の株を所有していたら、大きく収益が出た時に売る方がいいでしょうか。それともM&Aが成立するまで持っていた方が良いでしょうか。難しい問題です。我々もそのような時に多く誤った判断をしました。どちらが良いかは難しいです。
時々、我々は欲張ってしまうときがあります。例えば、レバレッジが高すぎる証券を持っている場合もあります。しかし、レバレッジが不利に働くと、非常に危険です。我々はなるべくそのような状況を避けようとします。
投資の問題はタイミングにあると思います。良いタイミングで参加する場合もあります。しかし、私たちはみんないつか死にます。買いのタイミングが非常に良かったとしても、成果が現れるまでに20年かかってしまったら災いです。
確かに、1929年に特定産業の成長可能性を見て株式を買った人たちは、経済の長期的な成長を見込んだという点では正しかったかもしれません。ただし、そのような投資家のほとんどは、株式市場が1929年以前水準まで回復し、収益を得るまで25年を待たなければなりませんでした。